「ジャイパーカ錠 50mg・100mg」の版間の差分

提供:医薬品DB
ページの作成:「Category:D12050 ピルトブルチニブ (JAN) {{#set: | 販売名 = ジャイパーカ錠 50mg・100mg | 一般名 = ピルトブルチニブ (Pirtobrutinib) | 製造販売元 = 日本イーライリリー株式会社 | 販売提携 = 日本新薬株式会社 | 薬効分類 = 可逆的非共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤 | 規制区分 = 劇薬・処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用するこ…」
 
画像タグ削除の自動処理
 
(同じ利用者による、間の1版が非表示)
28行目: 28行目:


'''規制区分:''' 劇薬・処方箋医薬品   
'''規制区分:''' 劇薬・処方箋医薬品   


== '''クリニカルエビデンス''' ==
== '''クリニカルエビデンス''' ==


'''主要臨床試験:'''
'''主要臨床試験:'''
- '''再発・難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)'''
- '''再発・難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)'''
   - '''対象:''' 他のBTK阻害剤に抵抗性または不耐容のMCL患者
   - '''対象:''' 他のBTK阻害剤に抵抗性または不耐容のMCL患者
43行目: 45行目:


'''適応症:'''   
'''適応症:'''   
- 他のBTK阻害剤に抵抗性または不耐容の再発・難治性マントル細胞リンパ腫   
- 他のBTK阻害剤に抵抗性または不耐容の再発・難治性マントル細胞リンパ腫   


'''用法・用量:'''   
'''用法・用量:'''   
- '''通常''':成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与   
- '''通常''':成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与   
- '''減量基準'''(副作用発現時):
- '''減量基準'''(副作用発現時):
   - 1回目の休薬後 → 200mg再開
   - 1回目の休薬後 → 200mg再開
56行目: 61行目:


'''重大な副作用と発生頻度:'''
'''重大な副作用と発生頻度:'''
- '''感染症'''(細菌・ウイルス感染 12.5%)
- '''感染症'''(細菌・ウイルス感染 12.5%)
- '''出血'''(重度の出血 3.8%)
- '''出血'''(重度の出血 3.8%)
- '''骨髄抑制'''(白血球減少 10.6%、貧血 7.7%)
- '''骨髄抑制'''(白血球減少 10.6%、貧血 7.7%)
- '''心血管系障害'''(不整脈 2.4%)
- '''心血管系障害'''(不整脈 2.4%)


'''その他の副作用:'''
'''その他の副作用:'''
- 下痢(15%以上)
- 下痢(15%以上)
- 倦怠感(10%以上)
- 倦怠感(10%以上)
- 頭痛(5%以上)
- 頭痛(5%以上)


69行目: 81行目:


'''併用禁忌:'''
'''併用禁忌:'''
- '''シスプラチン''' → 骨髄抑制リスク増加
- '''シスプラチン''' → 骨髄抑制リスク増加
- '''リファンピシン''' → 代謝誘導によりピルトブルチニブの血中濃度低下
- '''リファンピシン''' → 代謝誘導によりピルトブルチニブの血中濃度低下


'''併用注意:'''
'''併用注意:'''
- '''ワルファリン''' → 出血リスク増加
- '''ワルファリン''' → 出血リスク増加
- '''CYP3A4阻害剤(イトラコナゾールなど)''' → 血中濃度上昇による副作用リスク増加
- '''CYP3A4阻害剤(イトラコナゾールなど)''' → 血中濃度上昇による副作用リスク増加


79行目: 95行目:


'''副作用管理フロー:'''
'''副作用管理フロー:'''
- '''感染症:''' 重篤な細菌感染時には即時投与中止、抗生剤投与
- '''感染症:''' 重篤な細菌感染時には即時投与中止、抗生剤投与
- '''出血:''' 重大な出血が発生した場合は投与中止し、輸血または止血治療
- '''出血:''' 重大な出血が発生した場合は投与中止し、輸血または止血治療
- '''心血管系障害:''' QT延長を認めた場合はECGモニタリングを強化
- '''心血管系障害:''' QT延長を認めた場合はECGモニタリングを強化


86行目: 105行目:


'''Q1. ピルトブルチニブの併用療法は可能か?'''   
'''Q1. ピルトブルチニブの併用療法は可能か?'''   
A1. '''併用療法の有効性・安全性は確立されていないため、現時点では単剤療法が推奨される。'''   
A1. '''併用療法の有効性・安全性は確立されていないため、現時点では単剤療法が推奨される。'''   


'''Q2. 高齢者への投与は可能か?'''   
'''Q2. 高齢者への投与は可能か?'''   
A2. '''慎重投与が求められ、腎機能・肝機能を定期的に評価する必要がある。'''   
A2. '''慎重投与が求められ、腎機能・肝機能を定期的に評価する必要がある。'''   


'''Q3. 投与後の副作用リスクを軽減する方法は?'''   
'''Q3. 投与後の副作用リスクを軽減する方法は?'''   
A3. '''感染症・出血のリスクを考慮し、定期的な血液検査を実施。必要に応じて予防的抗菌剤の使用を検討。'''   
A3. '''感染症・出血のリスクを考慮し、定期的な血液検査を実施。必要に応じて予防的抗菌剤の使用を検討。'''   



2025年3月19日 (水) 11:38時点における最新版



基本情報

販売名: ジャイパーカ錠 50mg・100mg

一般名: ピルトブルチニブ (Pirtobrutinib)

製造販売元: 日本イーライリリー株式会社

販売提携: 日本新薬株式会社

薬効分類: 可逆的非共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤

規制区分: 劇薬・処方箋医薬品


クリニカルエビデンス

主要臨床試験:

- 再発・難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)

 - 対象: 他のBTK阻害剤に抵抗性または不耐容のMCL患者
 - 結果: 奏効率(ORR)56.9%(95%CI: 44.0%-69.2%)、完全奏効率(CR)20.0%、部分奏効率(PR)36.9%

- 芽球様細胞性MCL

 - 対象: 再発・難治性の芽球様細胞性MCL患者
 - 結果: ORR 46.7%(95%CI: 21.3%-73.4%)、CR 6.7%、PR 40.0%

効能・用法

適応症:

- 他のBTK阻害剤に抵抗性または不耐容の再発・難治性マントル細胞リンパ腫

用法・用量:

- 通常:成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与

- 減量基準(副作用発現時):

 - 1回目の休薬後 → 200mg再開
 - 2回目の休薬後 → 100mgへ減量
 - 3回目の休薬後 → 50mgへ減量
 - 4回目の休薬後 → 投与中止

副作用とその管理

重大な副作用と発生頻度:

- 感染症(細菌・ウイルス感染 12.5%)

- 出血(重度の出血 3.8%)

- 骨髄抑制(白血球減少 10.6%、貧血 7.7%)

- 心血管系障害(不整脈 2.4%)

その他の副作用:

- 下痢(15%以上)

- 倦怠感(10%以上)

- 頭痛(5%以上)

相互作用情報

併用禁忌:

- シスプラチン → 骨髄抑制リスク増加

- リファンピシン → 代謝誘導によりピルトブルチニブの血中濃度低下

併用注意:

- ワルファリン → 出血リスク増加

- CYP3A4阻害剤(イトラコナゾールなど) → 血中濃度上昇による副作用リスク増加

緊急時対応

副作用管理フロー:

- 感染症: 重篤な細菌感染時には即時投与中止、抗生剤投与

- 出血: 重大な出血が発生した場合は投与中止し、輸血または止血治療

- 心血管系障害: QT延長を認めた場合はECGモニタリングを強化

FAQ(よくある質問)

Q1. ピルトブルチニブの併用療法は可能か?

A1. 併用療法の有効性・安全性は確立されていないため、現時点では単剤療法が推奨される。

Q2. 高齢者への投与は可能か?

A2. 慎重投与が求められ、腎機能・肝機能を定期的に評価する必要がある。

Q3. 投与後の副作用リスクを軽減する方法は?

A3. 感染症・出血のリスクを考慮し、定期的な血液検査を実施。必要に応じて予防的抗菌剤の使用を検討。

製品ページ

https://medical.lilly.com/jp/jaypirca