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ページの作成:「Category:D10866 ブリグチニブ (JAN); ブリガチニブ {{#set: | 販売名 = アルンブリグ錠 30mg・90mg | 一般名 = ブリグチニブ (Brigatinib) | 製造販売元 = 武田薬品工業株式会社 | 販売提携 = 該当なし | 薬効分類 = ALK阻害剤(チロシンキナーゼ阻害薬) | 規制区分 = 劇薬、処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること) | 承認年月日 = 2021年1月22日 | 薬…」
 
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'''規制区分:''' 劇薬、処方箋医薬品   
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== '''クリニカルエビデンス''' ==
== '''クリニカルエビデンス''' ==


'''主要臨床試験:'''
'''主要臨床試験:'''
- '''ALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)対象試験'''
- '''ALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)対象試験'''
   - 海外第Ⅲ相試験(ALTA-1L試験):ALK-TKI未治療患者におけるクリゾチニブとの比較試験で、無増悪生存期間(PFS)が24.0ヶ月 vs 11.0ヶ月(HR: 0.49, p<0.0001)。
   - 海外第Ⅲ相試験(ALTA-1L試験):ALK-TKI未治療患者におけるクリゾチニブとの比較試験で、無増悪生存期間(PFS)が24.0ヶ月 vs 11.0ヶ月(HR: 0.49, p<0.0001)。
   - 国内第Ⅱ相試験(J-ALTA試験):アレクチニブ治療後の患者対象、客観的奏効率(ORR)が29.8%。
   - 国内第Ⅱ相試験(J-ALTA試験):アレクチニブ治療後の患者対象、客観的奏効率(ORR)が29.8%。
- '''脳転移に対する有効性'''
- '''脳転移に対する有効性'''
   - 既存のALK-TKI耐性患者の脳転移病変において、奏効率(iORR)が66.7%。
   - 既存のALK-TKI耐性患者の脳転移病変において、奏効率(iORR)が66.7%。


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'''適応症:'''   
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- ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)
- ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)


'''用法・用量:'''   
'''用法・用量:'''   
- 通常、成人にはブリグチニブとして'''1日1回90mgを7日間経口投与'''し、その後'''1日1回180mg'''を経口投与。   
- 通常、成人にはブリグチニブとして'''1日1回90mgを7日間経口投与'''し、その後'''1日1回180mg'''を経口投与。   
- 副作用発現時には120mgまたは90mgへの減量を考慮。   
- 副作用発現時には120mgまたは90mgへの減量を考慮。   


'''投与時の注意点:'''
'''投与時の注意点:'''
- '''7日間の導入期間'''を設けることで、初期の肺関連有害事象(EOPE)を低減。
- '''7日間の導入期間'''を設けることで、初期の肺関連有害事象(EOPE)を低減。
- '''投与中止基準:''' 重篤な間質性肺疾患、膵炎、QT延長が確認された場合。
- '''投与中止基準:''' 重篤な間質性肺疾患、膵炎、QT延長が確認された場合。


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'''重大な副作用と発生頻度:'''
'''重大な副作用と発生頻度:'''
- '''間質性肺疾患(6.3%)''' → 速やかな救急対応を要する   
- '''間質性肺疾患(6.3%)''' → 速やかな救急対応を要する   
- '''膵炎(頻度不明)''' → 投与中止を検討   
- '''膵炎(頻度不明)''' → 投与中止を検討   
- '''肝機能障害(32.2%)''' → 定期的な肝機能モニタリングが推奨   
- '''肝機能障害(32.2%)''' → 定期的な肝機能モニタリングが推奨   


'''その他の副作用:'''
'''その他の副作用:'''
- CK上昇(54.8%)、下痢(40.4%)、高血圧、悪心(20%以上)
- CK上昇(54.8%)、下痢(40.4%)、高血圧、悪心(20%以上)
- 便秘、筋肉痛、倦怠感(5~20%)
- 便秘、筋肉痛、倦怠感(5~20%)


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'''併用禁忌:'''
'''併用禁忌:'''
- '''CYP3A強力阻害剤(ケトコナゾール等)''' → 血中濃度が上昇し、有害事象のリスク増加   
- '''CYP3A強力阻害剤(ケトコナゾール等)''' → 血中濃度が上昇し、有害事象のリスク増加   


'''併用注意:'''
'''併用注意:'''
- '''CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン)''' → 血中濃度低下の可能性   
- '''CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン)''' → 血中濃度低下の可能性   
- '''QT延長を引き起こす薬剤(アミオダロン等)''' → QT延長リスク増加   
- '''QT延長を引き起こす薬剤(アミオダロン等)''' → QT延長リスク増加   


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'''副作用管理フロー:'''
'''副作用管理フロー:'''
- '''間質性肺疾患の疑い''' → 直ちに投与中止、酸素投与および副腎皮質ステロイド投与   
- '''間質性肺疾患の疑い''' → 直ちに投与中止、酸素投与および副腎皮質ステロイド投与   
- '''膵炎症状出現時''' → 血清アミラーゼ・リパーゼを測定し、異常があれば投与中止   
- '''膵炎症状出現時''' → 血清アミラーゼ・リパーゼを測定し、異常があれば投与中止   
- '''QT延長(>500ms)''' → 電解質補正後も持続する場合、投与中止を考慮   
- '''QT延長(>500ms)''' → 電解質補正後も持続する場合、投与中止を考慮   


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'''Q1. 服用タイミングは?'''   
'''Q1. 服用タイミングは?'''   
A1. '''1日1回、食事の影響を受けにくいため、食後・空腹時いずれでも可。'''   
A1. '''1日1回、食事の影響を受けにくいため、食後・空腹時いずれでも可。'''   


'''Q2. 効果が出るまでの時間は?'''   
'''Q2. 効果が出るまでの時間は?'''   
A2. '''奏効までの平均期間は4~6週間。'''   
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'''Q3. 副作用リスクが高い患者は?'''   
'''Q3. 副作用リスクが高い患者は?'''   
A3. '''肝障害・腎障害のある患者、高齢者ではリスクが増加するため慎重投与。'''   
A3. '''肝障害・腎障害のある患者、高齢者ではリスクが増加するため慎重投与。'''   


'''インタビューフォーム'''   
'''インタビューフォーム'''   
https://www.takedamed.com/medicine/detail?medicine_id=541
https://www.takedamed.com/medicine/detail?medicine_id=541

2025年3月19日 (水) 11:34時点における最新版



基本情報

販売名: アルンブリグ錠 30mg・90mg

一般名: ブリグチニブ (Brigatinib)

製造販売元: 武田薬品工業株式会社

薬効分類: ALK阻害剤(チロシンキナーゼ阻害薬)

規制区分: 劇薬、処方箋医薬品


クリニカルエビデンス

主要臨床試験:

- ALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)対象試験

 - 海外第Ⅲ相試験(ALTA-1L試験):ALK-TKI未治療患者におけるクリゾチニブとの比較試験で、無増悪生存期間(PFS)が24.0ヶ月 vs 11.0ヶ月(HR: 0.49, p<0.0001)。
 - 国内第Ⅱ相試験(J-ALTA試験):アレクチニブ治療後の患者対象、客観的奏効率(ORR)が29.8%。

- 脳転移に対する有効性

 - 既存のALK-TKI耐性患者の脳転移病変において、奏効率(iORR)が66.7%。

効能・用法

適応症:

- ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)

用法・用量:

- 通常、成人にはブリグチニブとして1日1回90mgを7日間経口投与し、その後1日1回180mgを経口投与。

- 副作用発現時には120mgまたは90mgへの減量を考慮。

投与時の注意点:

- 7日間の導入期間を設けることで、初期の肺関連有害事象(EOPE)を低減。

- 投与中止基準: 重篤な間質性肺疾患、膵炎、QT延長が確認された場合。

副作用とその管理

重大な副作用と発生頻度:

- 間質性肺疾患(6.3%) → 速やかな救急対応を要する

- 膵炎(頻度不明) → 投与中止を検討

- 肝機能障害(32.2%) → 定期的な肝機能モニタリングが推奨

その他の副作用:

- CK上昇(54.8%)、下痢(40.4%)、高血圧、悪心(20%以上)

- 便秘、筋肉痛、倦怠感(5~20%)

相互作用情報

併用禁忌:

- CYP3A強力阻害剤(ケトコナゾール等) → 血中濃度が上昇し、有害事象のリスク増加

併用注意:

- CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン) → 血中濃度低下の可能性

- QT延長を引き起こす薬剤(アミオダロン等) → QT延長リスク増加

緊急時対応

副作用管理フロー:

- 間質性肺疾患の疑い → 直ちに投与中止、酸素投与および副腎皮質ステロイド投与

- 膵炎症状出現時 → 血清アミラーゼ・リパーゼを測定し、異常があれば投与中止

- QT延長(>500ms) → 電解質補正後も持続する場合、投与中止を考慮

FAQ(よくある質問)

Q1. 服用タイミングは?

A1. 1日1回、食事の影響を受けにくいため、食後・空腹時いずれでも可。

Q2. 効果が出るまでの時間は?

A2. 奏効までの平均期間は4~6週間。

Q3. 副作用リスクが高い患者は?

A3. 肝障害・腎障害のある患者、高齢者ではリスクが増加するため慎重投与。

インタビューフォーム

https://www.takedamed.com/medicine/detail?medicine_id=541